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言葉が少ない。

表現だってワンパターン。

つらいも痛いも、レベルがわからない。

「どうしたの?」と質問しても、彼らの答えは5W1Hがないので、言ってることがよくわからない。

しかも、幼稚園から中1までの3人の息子がみんな同じだ。

情けない。

だから男の子との会話は「小分け」が原則だ。

「どうしたの」という質問では用をなさないので、「いつ?」「どこで?」「だれが?」と細かく具体的に質問をしていくのだ。

3人の男の子に囲まれていると、質問の仕方も手慣れたものだ。

でも、そんな母でも、ツバサの件ではびっくりした。

小2のツバサは、ワンパクを絵に描いたような子どもだ。

学校から帰るなり、遊びに出ていく。

帰宅の時間は5時と決めているが、いつもギリギリまで遊んで、叱られてはたまらないとばかり、走って帰ってくる。

この日もそんなだった。

ところが夕食後に、お風呂から出てくると「足が痛い」と言いだした。

「ケガしたの?」と聞くと「ジャンプした時、ゴキッってなった」とケガしたことを思い出したのだった。

「じゃあ、湿布しとこう」とその日はとりあえず寝かせ、翌日、お医者さんに行くと、「骨が折れているね。痛かっただろう」だって……。

ツバサは神妙に「はい」と答えている。

え!!そんなに痛かったの!?

知らなかった……。

行きは2人で自転車を並べてギコギコ出かけたのに、帰りは大きなギブスをはめられたツバサとタクシーで帰宅した。

「どうして、痛いってちゃんと言わないのよ!」と思わず叱ったのは、何か重い病気やケガをした時に見逃したらどうしよう、と怖くなったからだ。

「ボク、ちゃんと言ったよ」とツバサ。

男の子を守るには、言葉に頼っていてはダメだ。

表情や動作などにもっと気をつけなければ。

ごめんね。