男の子供が戦いが好きなのはなぜ?

「なぜ男は競争や戦いが好きなの?」というといろいろな意見が返ってくる。

それも当然だ。

歴史も文化も育てられ方にも理由があるからだ。

では科学的にはどう考えられているのだろうか?

「1回の射精で放出される精子は1億個もあるのに、卵子にたどり着ける精子は1個あるかないか。男は競争する運命なんだ」という説は、「そんなの関係ない」と突っ込みたくなるけれど、じつは案外、本質的なのだという。

自然界にはオス同士が、激しいメス獲得競争をする動物が多い。

シカの角も、アザラシの牙も、カブトムシの角もオスが戦う時の道具だ。

オスはたくさん生殖行動をする能力があるのに、妊娠・出産・子育てをするメスはすべてには応じられず、強いオスを選ぶ。

だからオスは戦う。

人間にそんな本能が残っていても不思議はない。

脳を刺激するホルモン分泌

テストステロンという男性ホルモン分泌と「男の攻撃性」に開係があることもわかってきた。

妊娠中のある時期の男子の胎児にはテストステロンが大量に分泌される。

すると脳の女性的特徴が失われてしまう。

誕生後の2週間から6カ月頃にも、分泌がハイレベルになって脳に影響し、攻撃性や気の短さを高める作用をする。

その後、分泌はレベルが下がり、思春期に再び爆発的に上がり、性的な衝動が高まる。

じつはこの後の4歳頃にも山があって行動が活発化する。

言われてみると、男の子と女の子の行動の違いが目立ち始める時期だ。

「癇癪はホルモンの影響かな」と思って男の子に接していると、子育てに少しゆとりが生まれる。